勇壮に華麗に躍動する
三陸の郷土芸能を鑑賞する

岩手・三陸各地域に伝わる神楽や虎舞、鹿踊……。
通常、限られた日にしか見ることができない郷土芸能もあるが、
東北デスティネーションキャンペーン期間中は、
気軽に鑑賞できるようになっている。
昼は三陸の自然風景を楽しみ、夜は郷土芸能を堪能しよう。

「中須賀大神楽」は、豊作を祈って舞う。

郷土芸能を通して三陸と他地域をつなぐ

 19時半を過ぎたころ、かがり火が焚かれた小鎚神社(岩手県大槌町)に人が集まってくる。9月30日まで開催される東北デスティネーションキャンペーン(東北DC)の特別企画・三陸大槌町「郷土芸能かがり火の舞」を楽しむためだ。
 小鎚神社は、1200年以上の歴史を有し、地方開拓の産業神や武神を祀っている。毎年9月中旬に例大祭が行われ、前日の宵宮では、地域の郷土芸能が舞や踊りを奉納する。「郷土芸能 かがり火の舞」は、その宵宮の雰囲気を味わえる企画だ。出演するのは、大槌町郷土芸能保存団体連合会に所属する団体。臼澤鹿子踊や、安渡虎舞、雁舞道七福神、中須賀大神楽などの19団体が東北DC期間中の第2・4土曜に2団体ずつ公演を行う。ちなみに、別の神社に縁を持つ吉里吉里大神楽が小鎚神社で舞うのは江戸時代から続く歴史の中で初めてのこととか。
 同様の特別企画は、田野畑村でも行われている。郷土芸能の魅力は、勇壮な舞や華麗な踊りにあるが、何といっても舞い終えた後に見せる舞手の笑顔だ。これは、現地に行かなければ体験できない醍醐味である。

 年に一度、行われる大槌稲荷神社と小鎚神社の合同例大祭。その前夜祭に神社で舞を奉納する「宵宮」の雰囲気を堪能できるイベントである。大槌町内の虎舞、大神楽、鹿子踊などの郷土芸能団体が参加し、毎回2団体ずつ公演を行う。かがり火の中での舞や踊りは幻想的で幽玄の世界に誘われる。

400年もの歴史を誇る「臼澤鹿子踊」。
幸福を呼び込む「雁舞道七福神」。
  • 催行日/東北DC期間中の毎月2・4土曜の20:00〜21:00
  • 料金/大槌町外の方500円、小学生未満無料
  • 場所/小鎚神社(岩手県上閉伊郡大槌町上町2-16)
    ※雨天の場合は別会場(室内)
  • 予約申込/予約不要。直接会場へお越しください。町内対象宿泊先(三陸花ホテルはまぎく等)に宿泊されている方は、バスの送迎あり。
    当日17:00までに宿へお申し込みください。
  • 問い合わせ/一般社団法人大槌町観光交流協会
    (TEL 0193-42-5121)

 人々の健康を祝福し、厄を祓う「大宮神楽」。昔から舞われてきた演目の中には優雅な舞や笑いを誘う踊りなどもあり、東北DC 期間中、ホテル羅賀荘で鑑賞できる(宿泊者限定)。ウニやアワビなどを楽しめるプランもあり、「田野畑さ来てけでキャンペーン」(なくなりしだい終了)を使用すれば手頃な価格で宿泊できる。

長い歴史を持ち、演目も多い。
大宮神楽の「斐の川」のワンシーン。
鑑賞後は、お面を被って記念撮影もできる。
  • 催行日/東北DC期間中の毎月2・4土曜の20:00〜
  • 料金/大人1,000円、小学生500円、小学生未満無料 ※宿泊パックあり(詳細はホテル羅賀荘まで)
  • 場所/ホテル羅賀荘(岩手県下閉伊郡田野畑村羅賀60-1)
  • 予約申込/ホテル羅賀荘(TEL 0194-33-2611) ※事前予約(宿泊予約時・催行日の7日前までに)

  • 東北デスティネーションキャンペーン(東北DC)
  • 2021年4月1日(木)〜9月30日(木)
  • https://www.tohokukanko.jp/dc/