「おうち時間」「ステイホーム」―。
新しい生活様式によって、家での時間が注目されている。
寒くて長い冬を過ごす北東北の人は、
暖かい家で暮らす楽しみを知っている。
冬でも快適な生活空間で、
趣味を楽しんだり、家族と団らんする時間を大切にしたり、
暮らしを楽しむ家と人を紹介しよう。

UNESTHOME

青森県つがる市

「アトリエのある家」

暮らしの中にアートが融合する

アトリエは、リビングと同じ室温。長時間でも絵と向き合える。

互いを尊重し合う母と娘の家

 青森県つがる市の三上さんが暮らす家は、平屋の一戸建て。ファザードに木をふんだんに使用した、北欧風の家だ。
 現在は、三上さんが暮らす家に、週末だけ娘が帰ってくるという生活スタイル。母と娘が暮らす家はお互いの趣味やセンスを受け入れ、良い関係が成立していた。
 三上さんの趣味は油絵。教員を退職してから始めた。それまで油彩画を描いたことはなかったが、いまでは公募展で入選するほどだ。「家を建てるとき『私は物置で絵を描くから』と娘に言ったのよ」と三上さん。ところが、娘は「家の中にアトリエを作ったほうがいいわよ」と、キッチンの横に約4畳のアトリエを設けた。断熱性能の高い家の中のアトリエは、真冬だというのに暖かい。窓の外が吹雪いていても、風の音がしないほど機密性も高い。夢中で絵を描いていると、時間を忘れてしまうとのこと。
 アトリエとキッチンの間には、あえてガラスをとり入れた。そのため、アトリエからリビングを見渡すことができる。「ここをガラスにしてよかったわ。チャイムや話し声も聞こえるの」と、三上さん。建築家から提案があった時はイメージできなかったと言うが、いまは、アトリエからリビングを眺めるのが大のお気に入りとなった。視線の先には100号のひまわりの油彩画が見える。
 キッチンは、あえて対面にせず、リビングダイニングとの境に壁を作った。壁の後ろに設えた棚に並ぶ食器は、娘が集めたもの。個性的でセンスを感じる器が並ぶ。「娘は白が好きなの。だからキッチンも全て白」。窓辺に飾られたナナカマドの赤が映える。
 インテリアやアートに造詣が深い娘は、家を建てるならユネストホームにと初めから決めていた。家具や照明など、娘さんが選んだものは全て、ユネストホームの意匠に自然に融合する。
 キッチンで食事の支度をしながら、外を見るのも好きと話す三上さん。娘が好きなものたちに囲まれて、アトリエで絵と向き合いながら、青森の暮らしを楽しんでいる。

床には無垢のカバザクラ。落ち着いた色でシルキーな肌触り。
描きかけの油彩画があるアトリエ。窓の外はりんご畑が広がる。
娘が収集した器たち。
ガラス作家・イイノナホのカラフルなシャンデリア。玄関のドアを開けると気分が上がる。
  • 白でまとめたキッチンからは、りんご畑が見渡せる。
  • 季節ごとに飾る花やオブジェ。生活に彩りを。
  • 木肌が美しいファザード。経年変化で表情が変わるのが楽しみ。

  • DATA
  • 所在地/青森県つがる市
  • 施工/2020年9月
  • 工法/木造軸組壁工法
  • 床面積/98.12m²

  • ユネストホーム株式会社
  • 青森県青森市浜田字豊田502
  • TEL 017-762-1888
  • http://unesthome.com/
  • 常設展示場
  • 青森県青森市浜田豊田502
  • 定休日/水曜