
こんにちは。
薬剤師の目線でいますぐ誰かに話したくなる「薬の豆知識」をお届けしております。
今年は夏になる前から酷い猛暑ですね。熱中症対策を万全にお過ごしでしょうか?
今回はそんな熱中症のお話です。
最近、熱中症による救急搬送や死亡のニュースを目にすることが多く、熱中症が命にかかわる非常事態であることに驚かれる方も少なくないかもしれません。
熱中症を重度に発症し、処置が遅れると高体温から多臓器障害を併発し死亡する確率が上がってしまうのです。
まず、熱中症にならないためには屋外で直射日光を浴び続けないことが大切なのはご存知だと思いますが、その他の対策をご紹介いたします。
1 水分補給には0.2%程度の食塩と糖分が入っている飲料をとる
近年需要が高まっている経口補水液がまさにコレです。汗をかくと水分だけでなく塩分も失われるので、水だけを飲んでいると逆に体内の塩分を薄めてしまうことになります。こまめに水を飲むことが大切ですが、経口補水液を摂取することが、なお良いでしょう。
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【手作り経口補水液のススメ】
経口補水液は家計への負担がちょっと・・・という場合には図に示した「手作り経口補水液」を試してみてください。水、塩、砂糖、レモン汁で簡単に作ることができます。

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2 高温環境下に長い時間、身を置かない
熱中症は屋外で活動している際に発症すると思いがちですが、実は屋内でも発症することがあります。それは高温環境に長時間さらされていることによるものです。この場合、急激な体調変化ではなく、数日かかって徐々に体調が悪化し、重症化しやすいことが特徴です(非労作性熱中症)。

熱中症の疑いがある状態(脱水状態)かどうかは以下の方法で判断することができます。
1 握手をして手が冷たい・・・血液循環がうまくいかないと手足が冷たくなります
2 ベロが乾いている・・・口腔内の唾液が減少するとベロが乾きます
3 皮膚をつまむと3秒以上戻らない・・・皮膚の水分が減ると弾力性がなくなり戻りにくくなります
4 わきの下が乾いている・・・通常、暑いとわきの下は汗による潤いが感じられます
熱中症になってしまったときの処置は1番に体を冷やすこと、2番目に経口補水液を摂取すること、この2つがとにかく重要です。
熱中症で頭痛がするときは痛み止めを服用する前に、まずは体を冷やすことが良いです。特に、太い血管がとおっている「首、わき、股関節」を冷やすことで体温が下がりやすくなります。
熱中症の重症度は以下のように分類されます。処置の参考にしてください。
Ⅰ度 【めまい、立ちくらみ、失神、こむら返り、多汗】
冷所に移動し、安静にして体を冷やす。水分、塩分を補給する
Ⅱ度 【酷い頭痛、吐き気、嘔吐、倦怠感、虚脱感】
冷所に移動し体を冷やす。水分や塩分を補給するとともに、付き添いを置き、必要なら病院へ行く
Ⅲ度 【意識消失、痙攣、返事がおかしい、歩行不能、高体温】
すぐに救急車を手配するとともに、冷所に移動し体を冷やす
意外と身近で、いつ遭遇するかもしれない熱中症。
自身がならないように日ごろから対策するとともに、熱中症の方に遭遇した場合には落ち着いて対処できるよう心の準備をしておきたいですね。

岩手医科大学薬学部 准教授 博士(薬学)
薬剤師
スポーツファーマシスト
アスリートフードマイスター
薬剤師を身近に感じてもらいたいとSNSなどを通して発信中。
アスリートやサポートスタッフ、ご家族に対してアンチ・ドーピング活動をすると共に勝利のためには健康であることの重要性もお伝えしている。
近年はアスリートを含む女性の健康サポートにも力を入れている。