下田澤山ぶどう園にて。生産者の下田澤榮吉さん(左)と、「アッカトーネ539」のオーナーでソムリエの松田宰さん(右)

いわて県北を味わう肉と果実とワインの旅

 いわて県北は食材の宝庫だ。8月のツアーでは、野田村でワインと寿司を堪能した。4回目となる「ソムリエと行くテロワールを探す旅」10月のツアーは、塩の道を辿るように、内陸へと場所を移す。牧歌的な一戸の高原、九戸にある唯一無二の山ぶどう園、二戸のりんご園。そして、ディナーには二戸の三大ミートと山ぶどうワインを。いわて県北のテロワールを感じてほしい。

いわて県北は山ぶどうの産地。

唯一無二の山ぶどうその力強さを感じて

 今回も、旅をナビゲートするのは、ソムリエの松田宰さん。彼は、山ぶどうワイン「陽(ひかり)のしずく」を唯一無二だと太鼓判を押す。そのワインの生産者こそ、九戸村の山ぶどう農家・下田澤榮吉さんだ。下田澤さんが栽培する山ぶどうは、九戸の山を歩いて採取した野生種で、一切交配をしていないものだという。採取した穂木は約1500本。そのうち良い実をつけたものを選抜して、最終的に残った山ぶどうは3種になった。ツアーでは「陽のしずく」用の山ぶどうを栽培するヴィンヤードをソムリエと共に訪問。山ぶどうのストーリーを知る。

放牧されている短角牛は、黙々と草を食み、こちらを見ると歩み寄ってくる。

二戸の牛・豚・鶏山ぶどうワインと味わう

 昔ながらの製法で作る「のだ塩」。野田村や久慈周辺では塩を作り、内陸まで運んだ歴史がある。塩を運んだのは農耕・運搬の役割をしていた「南部牛」。肉質が良いと評判の「いわて短角牛」は、南部牛とショートホーン種の掛け合わせだ。
 一戸の高森高原には、短角牛が放牧され、牛たちがのんびり草を食んでいた。ここは牛たちの楽園だ。牧歌的な風景に圧倒される。
 放牧地を見学した後は、塩の道の歴史をひもといてみよう。牛と牛方が荷物を運んだ道は今、どうなっているのだろう。昔の物流を担った牛たちの痕跡をたどり、いわて県北の民俗や、この辺りの地質について、ガイドの話を聞く。

二戸の牛・豚・鶏山ぶどうワインと味わう

 金田一温泉郷の「おぼない旅館」では、二戸の特産「三大ミート」の料理を味わい、ワインとのマリアージュを楽しむ。二戸市は知る人ぞ知る、お肉の産地。特にいわて短角牛に折爪三元豚佐助(佐助豚)、あべどりに菜彩鶏が三大ミートと呼ばれている。
 料理を担当するのはおぼない旅館の支配人・大建宗徳さん。東京のレストランで修行していた大建さんは、実は洋食の料理人だ。古式ゆかしい温泉旅館で味わう本格洋食。ワインとのマリアージュを心ゆくまで味わってほしい。

九戸村産山ぶどうを使用したワイン
おぼない旅館の支配人・大建宗徳さんが腕を振るう、三大ミートの料理。
  • 鶏もも肉のコンフィ
  • 短角和牛ローストビーフ
  • 佐助豚のロールキャベツ
  • 座敷わらしが出るといわれるおもてなしの宿「おぼない旅館」
※料理は一例です
  • 問い合わせ先
  • 下田澤山ぶどう園
  • 岩手県九戸郡九戸村山根第10?101
  • TEL 0195-43-2640
  •  
  • 権七園
  • 岩手県二戸市金田一字大沼55
  • TEL 0195-27-2705
  •  
  • おぼない旅館
  • 岩手県二戸市金田一湯田3?5
  • TEL 0195-27-2221