土偶の里や文豪の郷里で奥津軽の味を堪能する

 「奥津軽のめごい飯」を堪能する旅は遮光器土偶の里・木造にある「神じ ん武たけ食堂」から始めよう。同店は大正時代創業の老舗食堂。時代と共にメニューを増やし、現在の人気は「坦々麺」。まろやかでありながら刺激的な味が常連客の胃袋を掴んでいる。
 太宰治の生家「斜陽館」の前に暖簾を構えて43年となる「奴寿し」にも常連客の要望から生まれた寿司がある。11種類の海鮮を巻いた「じょっぱり巻」だ。板場を守る尾野文則さんは、「これは『めごい』っていうより『ごつい』ですね」と笑う。
 そして、「でる・そーれ」の「若生(わかおい)おにぎり」も太宰治ゆかりの料理だ。代表理事の澁谷尚子さんは、太宰も好んだ若生おにぎりを平川市から五所川原市に嫁いでから知ったという。これには微笑ましい思い出があり、「おにぎりを持って集まったとき、私だけが海苔で、ほかの人は若生昆布だった」と話す。
 奥津軽の味を伝える店は十三湖畔にもある。「はくちょう亭奈良屋」の「山菜肉鍋定食」は、旬の山菜を塩蔵保存し、必要に応じて塩抜きをして料理をこしらえる。40年にわたり看板である鍋料理は懐かしくほっとする味である。

神武食堂の「坦々麺」

百年食堂の看板ラーメン

 店の歴史を物語る約50種類のメニュー。人気の「坦々麺」は店主・神祥仁さんが修業先の東京でハマったという思い入れのあるもの。特製肉味噌と自家製辣油、花椒がスープに溶け込む芝麻醤を引き締め、最後の一滴まで完食してしまう。

四代目店主・神祥仁さん。しゃこちゃんをデザインしたTシャツで地方創生に協力している。
  • 青森県つがる市木造宮崎1-10
  • TEL 0173-42-3421
  • 営業時間/11:00〜19:00
  • 定休日/火曜

奴寿しの「じょっぱり巻」

ここでしか味わえない太巻

 「じょっぱり巻」は、マグロやシマアジ、サーモン、ホタテなど11 種類の海鮮を巻いた名物料理。ウニと筋子は細巻きにしてから他の海鮮と巻くという食材へのおもいやりが感じられる。食べるときは手で持って豪快に!

「じょっぱり巻(2800円・税込)」は直径約10センチと特大。2〜3人でシェアするのがお勧め。
  • 筋子の赤色が太巻きに彩りを添える。
  • 尾野文則さんは父・則次さんと共に津軽のおいしさを追求している。
  • 青森県五所川原市金木町朝日山468-1
  • TEL 0173-52-2039
  • 営業時間/11:30〜22:30
  • 定休日/無休

コミュニティカフェ でる・そーれの「若生おにぎり」

太宰も好んだ津軽風おにぎり

 「じょっぱり巻」は、マグロやシマアジ、サーモン、ホタテなど11 種類の海鮮を巻いた名物料理。ウニと筋子は細巻きにしてから他の海鮮と巻くという食材へのおもいやりが感じられる。食べるときは手で持って豪快に!

 「若生(わかおい)おにぎり」は津軽半島沿岸部に伝わる料理。春に収穫された薄く柔らかい若生昆布で炊き立てご飯を包んだだけのもの。包み方は家庭によって異なり、「でる・そーれ」は津島家の包み方を継承している。
郷土の味を伝える澁谷尚子さん。
  • 青森県五所川原市大町39 津軽鉄道1F
  • TEL 0173-34-3971
  • 営業時間/10:00〜16:00(飲食・テイクアウトは14:00まで)
  • 定休日/第1・3日曜

はくちょう亭奈良屋の「山菜肉鍋定食」

山菜や野菜たっぷりの名物鍋

 旬の山菜を下処理して塩蔵する。その山菜を地元産大豆でつくった特製味噌で仕立てたのが「山菜肉鍋定食」だ。タケノコやワラビ、ミズなどがたっぷりと入り、すき焼きのように熱々を溶き卵に浸けて食べるとおいしい。

約半世紀にわたり人気の「山菜肉鍋定食(1300円・税込)」。
中泊町は山菜の宝庫。旬の山菜を採取したその日のうちに下処理をする。
  • 青森県北津軽郡中泊町今泉唐崎255
  • TEL 0173-58-2816
  • 営業時間/夏季9:00〜17:00、冬季9:00〜16:00
  • 定休日/火曜、年末年始

「奥津軽のめごい飯」とは

 「めごい」とは津軽弁で「かわいい」という意味。青森県西北地域県民局では、地元住民から愛されている味や食文化を「奥津軽のめごい飯」として情報発信しています。

  • 青森県西北地域県民局地域連携部地域支援チーム

  • 青森県五所川原市字栄町10
  • TEL 0173-34-2175