縄文遺跡が点在する青森は、近隣エリアを旅行する「マイクロツーリズム」向き。
身近すぎて行ったことがない縄文遺跡で新しい体験をしてみよう。
ここでは青森市から約1時間で行ける縄文遺跡と立ち寄りスポットを紹介。

何度も通いたくなるご近所の縄文遺跡

 遠方への旅行に対し、県内など近隣地域内での観光を目的とした旅行を「マイクロツーリズム」という。地域の魅力を知ることができ、地域経済にも貢献する旅のスタイルである。
 世界遺産「北海道・北東北の縄文遺跡群」の構成資産17遺跡のうち8遺跡が点在する青森県は、「縄文」をテーマにしたマイクロツーリズムに最適なエリアだろう。青森市から約1時間で行ける範囲に「三内丸山遺跡」をはじめ、「小牧野遺跡」や「大森勝山遺跡」などがあり、半日や日帰りでも十分、旅行気分に浸れる。しかも、はるかいにしえの時代の雰囲気も感じられ、非日常感も満喫できるのがいい。さらに、各遺跡の近くには個性的な立ち寄りスポットもあり、楽しみ方は無限だ。
 縄文遺跡には何回も足を運んでみよう。というのは、訪ねるたびに新しい発見があるからだ。足を運ぶうちに、数ある土偶や土器から自分の「推しの子」を見つけるかもしれない。また、近くでお気に入りの風景や飲食店と出会うかもしれない。そんな楽しみがマイクロツーリズムにある。

石の組み方が独特な「小牧野遺跡」

 三重の環状列石で一部は四重となり、直径55メートルと日本最大級を誇る。縦に置いた石の両隣に横長の石を積み重ねるという組み方は「小牧野式配列」と呼ばれる。
  • 青森県青森市野沢小牧野
  • 問い合わせ/縄文の学び舎・小牧野館
  • (TEL017-757-8665)

山奥のパワースポット「石神神社」

小牧野遺跡から車で約35分

 小牧野遺跡の南側、入内地区の山奥にある神社。社殿の裏にある、人の顔のように見える岩がご神体で、昔は目にあたる部分から水が湧き、村人の眼病を治したという言い伝えが残る。
  • 青森県青森市入内駒田
  • TEL 017-739-4584
  • ※11月〜4月末は冬季閉鎖

世界に知られる「亀ヶ岡石器時代遺跡」

 縄文時代晩期の遺跡でここから出土した地点付近の遺物は造形が優れ、国の重要文化財に指定された「遮光器土偶」がよく知られている。実物は東京国立博物館に所蔵されている。
  • 青森県つがる市木造亀ヶ岡・館岡
  • 問い合わせ/つがる市教育委員会教育部文化財課
  • (TEL0173-49-1194)

地元の粘土でつくる「津軽金山焼」

亀ヶ岡石器時代遺跡から車で約30分

 金山地区の粘土を使い、高温で焼き上げる「津軽金山焼」。独特の風合いを持つ焼物の展示販売のほか、縄文土器作り体験を行っている。縄文時代にタイムスリップした気分で作ってみよう。
  • 青森県五所川原市大字金山字千代鶴5-79
  • TEL 0173-29-3350
  • 営業時間/ 9:00 〜 17:00 ※体験受付は15:30まで
  • 定休日/無休
  • 縄文土器作り体験料/無料(送料別途) ※事前予約

岩木山との一体感「大森勝山遺跡」

 岩木山の美しい姿を正面に望む環状列石。視界には建物などの人工物が入らないため、縄文の人々もこの風景を見ていたのだろうかと思い、想像させられる。
冬至の日には岩木山の山頂に夕日が沈む。
©?JOMON ARCHIVES(弘前市教育委員会)
  • 青森県弘前市大森字勝山
  • 問い合わせ/弘前市教育委員会文化財課
  • (TEL0172-82-1642)※冬季閉鎖

スローなカフェ「桜林茶寮」

大森勝山遺跡から車で約20分

 夏の暑さが残るいま、「抹茶ラテ」がお勧め。牛乳の上に、1杯ずつ茶筅を使って点てた抹茶を注ぎ、さらにミルクフォームを添えており、抹茶本来の甘味が感じられる大人の味である。
山野をおおう緑のように美しい「抹茶ラテ」(850 円・税込)。
  • 青森県弘前市百沢字寺沢257-4
  • TEL 0172-40-0774
  • 営業時間/10:30 〜 18:00(17:00 L.O.)※ランチ11:30 〜14:00
  • 定休日/火・水曜