rakraの誌面を作るうえで、最重要ともいえるのが写真の魅力。
編集の方針や意向を汲み取り、アングルやタイミングなどを考えながら「ベストな1枚」を切り取ってくれるカメラマンには、本当にいつも助けられています。

今回、そのカメラマンの奮闘ぶりを改めて実感した取材がありました。

rakra112号で紹介している「十和田サウナ」の取材に同行したときのことです。
十和田湖畔の森の中にあり、湖が水風呂代わりという、自然と一体になる心地よさが魅力の十和田サウナ。
取材では、アウトドア好きのライターOが実際にサウナを体験しているようすを撮影。湖に入っているカットも湖畔(陸)から撮影する段取りでした。

撮影シーンを木の影から隠し撮り(?)
撮影・井藤雪香

それが……ふと気がついたら、カメラマンJまで湖の中に……!

編集部からの指示にはなかった「湖の中からの撮影」を、なぜしようと思ったのか。あとからその意図を尋ねたところ、「湖のすぐそばにサウナがあることを伝えるには、湖面から撮影したほうがいいと思ったから!」とカメラマンJ。

湖のどのあたりから深くなるのかなど、十和田サウナ案内人の方に事前に確認し、「思ったより深かったら(湖からの撮影は)諦めよう」と思いつつ挑んだそうです。「ライターOさん、そしてご協力いただいた案内人の方に湖とサウナを何往復もしていただきました。だからこそいいアングルを見つけることができたんです」と話すカメラマンJ。3人のガッツと連携で生まれた、編集部の想定を超える「ベストな1枚」。ぜひ誌面でもご確認ください!

※ライターOは「湖に入るのもだけど、サウナの中での撮影も(暑くて)大変だったんじゃないですかね」とのこと。確かに、そうかも!

湖面からじゃないと撮れないアングル。
撮影・油野純平

ちなみに、カメラマンJは、rakraに携わっておおよそ15年。今回のサウナの撮影、これまでの取材の中でも特に大変だったのでは? と聞くと「いえ、乗馬のほうが断然大変でした」との回答が。

その「青森乗馬クラブ」も、112号の取材でした。
何が大変だったのかと訊ねると「馬に追いつけない!」と、一言。

被写体を後から撮ったり、追い越して前から撮ったり。
撮影・油野純平

さまざまなアングルで撮影するために、何度も先回りしたり追いかけたり。
1時間以上も走りっぱなしで、最後は力尽きて追いつけなくなってしまいました。
本人曰く、この撮影は、15年のなかで大変だった撮影ランキング2位らしいです(ちなみに1位は、カメラマンになりたてだったrakraでの初撮影)。

読者の方々からも、特に褒められることが多いrakraの写真。それらは、所属カメラマンたちのセンスやアイデア、ガッツに支えられています。特にオール屋外ロケだった112号の特集は「十和田サウナ」「青森乗馬クラブ」をはじめ、力作揃い。美しい写真の数々を、どうぞお楽しみください!

(ライター:井藤雪香)