野田村のワインと近海の新鮮な魚介を味わう

 「ソムリエと行くテロワールを探す旅」は、2019年7月に早池峰、10月に種差海岸と、2回開催され大好評を博した。3回目は新型ウイルス蔓延の影響で、期待されながら、機を逸していたがこの度、ついに開催の運びとなった。
 1回目、2回目に続いてナビゲートするのはソムリエの松田宰さん。今回の旅では、いわて北三陸の魚介で握った寿司に松田さんがワインをペアリングする。楽しい旅になりそうな予感。

ソムリエ松田さんが、あえて寿司にワインをペアリング。どんなテロワールを感じるだろう。※寿司ネタは一例。
  • 野田漁港では、荒海ホタテの浜焼きと「のだ塩むすび」が振る舞われる。
  • 久慈の新たな特産品として注目されている「久慈育ち琥珀サーモン」。

冷涼な潮風に吹かれてテロワールを体感

 「ソムリエと行くテロワールを探す旅」3回目はいわて北三陸のテロワールを体感する。
 岩手県の沿岸北部に位置する野田村。「のだ塩」が有名だが、三陸ジオパークにも指定され、自然の浸食によって作られた、ダイナミックな景色と、広大な海がもたらす恵みがある。
 潮の流れが速い外海で育てた「荒海ホタテ」は、野田の代表的な海産物。野田を訪れたら必ず味わいたい。そして、久慈産の魚粉と、全国有数の生産量を誇る山ぶどうの皮や種をブレンドした餌で育った「久慈育ち琥珀サーモン」は、風味豊かな味わいが魅力となる。また、海からの冷涼な風が吹く大地では、山ぶどうの生産が盛んだ。「涼海の丘ワイナリー」は、地元で採れた山ぶどうを使ってワインを醸造している。
 寿司とワインのペアリングには、「涼海の丘ワイナリー」のワインも登場する。どんな寿司にペアリングするかはお楽しみに。その日の獲れ高によってネタが変わるが寿司は全部で5皿。旬の白身魚または海老は、のだ塩をアレンジしたワイン塩で味わい、さらにワインをペアリングするという。ぜひマリアージュをお楽しみいただきたい。
 ツアーでは、ジオを感じる壮大な野田層群が見られる「大唐の倉」でネイチャーガイドの話を聞き、潮風を感じながら十府ヶ浦の砂浜を散策する。
 海の散策と寿司とワイン。これほどまでにいわて北三陸を感じる旅があるだろうか。いわて北三陸のテロワールをぜひ、感じてほしい。

野田漁港に突き出した断崖「大唐の倉」。およそ6000万年の地層を眺めて悠久の時を思う。
涼海の丘ワイナリー醸造家・坂下誠さん(左)と、ソムリエ松田宰さん(右)。
緩やかに弧を描いた海岸線が美しい十府ヶ浦。赤紫色の小豆砂が多い。