縄文時代、津軽海峡を挟んで
北東北と北海道は共通の文化圏を持っていたという。
海を渡った縄文人に想いを馳せつつ、北海道に旅をしてみよう。
津軽海峡を越えてさらなる縄文の世界へ
全国に有名な遺跡があるが、北海道と北東北には縄文時の遺跡が集中し、保存状態が良好で学術的価値が高い。これらの遺跡は津軽海峡を間に挟みながらも、縄文時代を通じて共通の文化圏を持っていたという。
今回、世界文化遺産に登録された「北海道・北東北の縄文遺跡群」のうち北海道には、6つの構成資産と1つの関連資産があり、各縄文遺跡の近くには函館や洞爺湖などの観光地も多い。かつて、縄文時代の人々は小さな船で津軽海峡を渡った。今は、北海道新幹線やフェリー、飛行機を使い気軽に往来できる。青森県内の縄文遺跡を見学して、そのまま北海道へ渡り、縄文の世界を堪能し尽くすのもいいかもしれない。
函館エリア
ハイカラな港町の情趣と縄文遺跡の異なる魅力を楽しめる。
大船遺跡
祭祀場が発達した拠点集落
- ●北海道函館市大船町
- ©JOMON ARCHIVES(函館市教育委員会)
垣ノ島遺跡
集落における機能分化の先駆け
- ●北海道函館市臼尻町
- ©JOMON ARCHIVES(函館市教育委員会)
千歳エリア
北海道の空の玄関口。
支笏湖が近くアクティビティも充実
キウス周堤墓群
9基の周堤墓が群衆した珍しい遺跡
- ●北海道千歳市中央
- ©JOMON ARCHIVES(縄文遺跡群世界遺産保存活用協議会)
洞爺湖エリア
洞爺湖や有珠山の活動により育まれた森や海を体感。
北黄金遺跡
大規模な貝塚を伴う集落跡
- ●北海道伊達市北黄金町
- ©JOMON ARCHIVES(伊達市教育委員会)
入江・高砂貝塚
内浦湾を望む段丘にある遺跡
- ●北海道洞爺湖町入江
- ©JOMON ARCHIVES(洞爺湖町教育委員会)
詳細は北海道・北東北の縄文遺跡群の公式ホームページへ
https://jomon-japan.jp
シルバーフェリーに乗って北海道の縄文を訪ねる
世界文化遺産に登録された「北海道・北東北の縄文遺跡群」。北海道の縄文遺跡群を訪ねる旅は青森県八戸市から始めよう。というのは、北海道苫小牧市へ向かうシルバーフェリーが1日4便運航しているからだ。フェリーを使うのは、慣れた自分のクルマで旅行できることと、昔と現在で姿形は違えども船で海を渡った縄文時代の人たちと似た行動をしたかったからだ。
乗船したのは、八戸港を22時に出港する「シルバーエイト」。翌朝に苫小牧港に到着するため、旅程のロスが少ない。船室は、ゆっくりと寛げる特等室、家族や友達同士に最適な1等洋室、シングルベッドルームの2等寝台Aなど、さまざまなタイプがある。特筆すべきなのは、ペット同伴が可能な1等室もあることだ。
早朝、デッキに出てみた。眼前に広がる水平線、昇ってくる太陽、雲のすべてが美しい。街中では見られない風景に息をのむ。いにしえの人たちもこういう風景を見たのだろう。感動のまま、苫小牧港に降りる。港近くの食堂で朝食をとり、今日の目的地であるウトナイ湖とキウス周堤墓群を目指す。シルバーエイトでの特別な時間が、より思い出深い旅にしてくれるに違いない。
入江貝塚
- ●北海道洞爺湖町入江
- ©JOMON ARCHIVES(洞爺湖町教育委員会)
キウス周堤墓群
- ●北海道千歳市中央
- ©JOMON ARCHIVES(北海道教育委員会)
北黄金貝塚
- ●北海道伊達市黄金町
幅広い客層に対応する「シルバーエイト」
大人のふたり旅に最適の特等室、家族連れに便利な1等和室、ペットと一緒に乗船できる1等ペット同伴室など、目的や予算に応じて部屋が選べるのがうれしい。
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落ち着いた雰囲気の特等室。
和モダンのツインルーム。 -
海を眺めながら湯に浸かる。
展望風呂で贅沢なひとときを。