こんにちは。
薬剤師の目線でいますぐ誰かに話したくなる「薬の豆知識」をお届けしております。
今回のテーマは「頭痛薬の選び方」です。
頭痛って血が出るわけでもなく、顔が火照るわけでもなく、他人から見たらその辛さが分からないので、それほど心配をしてもらえず本当に辛いですよね。
一刻も早く症状を緩和させたい!と思ってドラッグストアに駆け込んだものの、ん−、どれを選んだら良いのか・・・なんて経験がある方もいらっしゃるかと思います。
頭痛薬は効きめに着目した場合、合うか合わないか、という問題はありますが、痛みを抑える成分が多いほうが強い効果があると考えられます。
ただ、どの薬を選んでも、それなりの効果が期待できると思います。
それでは、どこを見て選べば良いのか。
今回は、「眠くなりやすいか」「胃に優しいか」という点で入っている成分を見てみましょう。
【眠くなりやすい成分】
・アリルイソプロピルアセチル尿素
・ブロモバレリル尿素 など
成分の名前が○○○尿素、となっているものは眠くなりやすいものが多いです。
【胃が痛くなる可能性がある成分】
・アスピリン
この成分は胃腸障害を誘発しやすいので胃が弱い方は避けた方が良いです。
また、アスリートなど過度の緊張によるストレスにさらされている方は胃が弱っている可能性があるので避けた方が良いです。
逆に
胃が弱い方には【アセトアミノフェン】が主成分の頭痛薬をおすすめしています。
また、【アスピリン】が入っていても、胃を守り胃痛を軽減する効果がある成分、例えば【ヒドロタルサイト】が入っているお薬でしたら、それほど胃に負担がかかることはありません。
痛み止めの代表選手として「ロキソプロフェンナトリウム」が入っているお薬が思い浮かぶ方も多いかもしれません。
ロキソプロフェンナトリウムは眠くなりにくいお薬です。
胃への優しさを比較すると
優しい順に 【アセトアミノフェン→ロキソプロフェンナトリウム→アスピリン】
という感じです。
薬局でロキソプロフェンナトリウムを購入する場合には他の頭痛薬とは異なる点があります。
それは、購入時の説明の有無です。
多くの頭痛薬は「指定第2類医薬品」に分類されていますが、ロキソプロフェンナトリウムを含むお薬は「第1類医薬品」です。
この分類は、注意すべき度合いや副作用のリスク程度で決められており、箱の表面に記載されています。
購入時には以下の違いがあります。
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第1類医薬品・・・薬剤師が書面を見せながら説明した後に購入できる
(=薬剤師が不在の時間帯、薬剤師が不在の店舗では購入することができない)
指定第2類医薬品・・・専門家(薬剤師・登録販売者)の説明がなくても購入できる
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ぜひ、お薬選びの参考にしてください。
岩手医科大学薬学部 准教授 博士(薬学)
薬剤師
スポーツファーマシスト
アスリートフードマイスター
薬剤師を身近に感じてもらいたいとSNSなどを通して発信中。
アスリートやサポートスタッフ、ご家族に対してアンチ・ドーピング活動をすると共に勝利のためには健康であることの重要性もお伝えしている。
近年はアスリートを含む女性の健康サポートにも力を入れている。







