rakra117号の特集は「旨い!を訪ねて あの街へ」。私も岩手県から足を延ばして、宮城県気仙沼市へ行ってきました。

気仙沼での取材先のひとつが、地元で水揚げされる魚介や地物野菜を活かした和食のお店「鼎・斉吉」。本誌では「昼のコース 鼎が浦」をメーンに紹介していますが、店頭には、このお店を運営する加工食品製造販売会社「斉吉商店」の商品もたくさん並んでいます。どれも美味しそうだったので、取材のあと、いくつか購入して帰りました。

「鼎・斉吉」は気仙沼湾を望める高台にあります。隠れ家のような場所で、暖簾をくぐるのもワクワクします。

なかでも私のお気に入りは、「SAIKICHI BUTTER COOKIE」。「斉吉商店」の創業100周年を記念し2021年に発売したクッキーで、缶の中には、丸い「塩バタークッキー」と、四角い「海藻バタークッキー」が入っています。

「斉吉商店」の先代が大好きだったという、気仙沼で三代続く「御菓子司いさみや」にお願いし、作ってもらったオリジナル。「塩バタークッキー」には気仙沼岩井崎の天然塩が、「海藻バタークッキー」には、「鼎・斉吉」の料理にも使われている、自家製の海藻バターとパルメザンチーズが入っています。

気仙沼湾入口にある「岩井崎」は、江戸時代、仙台藩御塩場として塩作りが盛んだったところで、現在も海水を釜炊きで煮詰める昔ながらの手法で塩作りが行われています。「塩バタークッキー」は、この塩を生地にふりかけて焼き上げるそうで、つぶつぶとした食感が特徴的。
一方「海藻バタークッキー」は、バターとチーズのコク深い味わいに、ほんのりと磯の香り。どちらも程よい塩味が癖になります。

加えて、パッケージのかわいらしさも魅力。クッキーの形にも見えるイラストは、店長の斉藤啓志郎さん、兄で「斉吉商店」の常務取締役である吉太郎さんの、それぞれのお子さんが描いたものだそう。気仙沼の海と山も連想させ、クッキーを食べた後も取っておきたくなるデザイン。贈り物にもおすすめです(私も小物を入れて活用しています)。

気仙沼愛が詰まった「SAIKICHI BUTTER COOKIE」。どっしりとしたリッチなクッキーで満足感もあり、紅茶やコーヒー、日本酒やワインなどお酒にも好相性です◎お店に足を運んだ際には、「金のさんま」や「斉吉海鮮丼」など、主力の水産加工品と併せてぜひチェックしてみてください。公式ウェブサイトからお取り寄せもできますよ♪

(文:佐藤春菜、写真:大谷広樹)