陸前高田の「伊東文具店」がオリジナルインクを制作し、販売を始めた。商品名は「高田のあわい」。
海の色や青い空をイメージさせる爽やかな色だ。
万年筆用の染料インク。ガラスペンや万年筆などで使用。
絵を描いても良い。
絵を描いても良い。
陸前高田市で文具店として創業して60年。伊東文具店は震災後にオープンした「アバッセタカタ」で書店を営んでいる。店に来るお客さんの多くは地元の人だが、震災後、この地を離れてしまった人もときどき店にやってくる。書店は、人が行き交う「間あわい」でもある。
「今でも、かつての松原があった海を思い出します。地元を離れた人とも、高田のイメージを共有できるような色があったらいいなと思いました」そう話すのは、インクの制作に携わった店長の伊東亜希子さん。スタッフと一緒に高田の海をイメージしながらインクの色を作っていったのだとか。
そして誕生した「高田のあわい」。ガラスペンをインクに浸し、スケッチブックに線を描くと、海と空との「間」、かつての高田と、未来の高田の「間」に広がり、にじんでいった。そして、あの海に行きたくなった。