風土を体感する宿

rakra107号特集「ごほうび宿」で紹介した、岩手県平泉の「平泉倶楽部」は、築150年の古民家を一棟貸ししている宿。

素泊まりをベースに、ケータリング、BBQ、料理人派遣、農業体験といったさまざまなオプションを組み合わせることができ、宿泊客の滞在スタイルによってアレンジ自在。家族旅行から企業の研修、ワーケーションなど、幅広い用途で利用されています。

取材では、親子3世代のモデルさんにご協力いただき撮影。料理人の方にも来てもらい、実際に目の前で調理・サーブしているところを撮影しました。平泉の隣町・大東にある予約制レストラン「on」の料理、撮影後つまみ食いしたのですが、すごいおいしかった…!
*ディナーの雰囲気は、rakra本誌をぜひご覧くださいー。

午後から夜にかけての撮影だったため、この日はrakraで貸切(ご協力ありがとうございました!)。
「泊まっていってもいいですよ」というお言葉に甘え、撮影後、一泊することにしました(ひとりで!)。

こんなに広い家を独り占め。(写真:大谷広樹)
作務衣や座布団カバーは、一関の「京屋染物店」が手染めしたものだそう。

林と田んぼに囲まれた一軒家。虫の声がかすかに聞こえる、静かな夜。あいにく曇りで星はよく見えませんでしたが、月明かりがとてもきれいだったな〜。
そして朝は心地よい鳥の声で目覚め、宿の周りをちょっとだけ散策。まだ眠たそうな青みがかった空気に、田んぼの緑の瑞々しいこと! 宿の敷地のお向かいには、ハスの池がありました。

8時過ぎ、この取材を担当して下さった岩渕さんがやってきて、朝ごはんを準備してくれました。
キッチンで自炊も可能ですが、事前予約すればケータリングを頼めます。
「天気もいいですし、外で食べるのもおすすめですよ」という言葉に惹かれて、テラスでいただくことにしました。

地元産食材を使った「ごはんに合う」おかずがちょっとずつ。ごはんもすごくおいしくて、モリモリ食べました。
目の前に広がる田んぼと、遠くの山々。鳥や蛙や虫の声と風の音に包まれながら食べる朝ごはん。「控えめに言って最高」です。毎日こういう朝ごはんを食べたい。

そしてじんわりと思いました。「平泉って、すごいいいところだな…」

世界遺産のまちである平泉。
中尊寺や毛越寺といった名所を訪れたことは何度もあるけれど、なんていうか「点と点」でしかこのまちを見ていなかった気がします。
煌びやかな黄金文化や由緒ある史跡に目が行きがちだったけど、こういう素朴な豊かさも持ち合わせているんだな…。

平泉倶楽部には「風土リゾート」というキャッチコピーがついているのですが、まさに。
いわゆる「高級リゾート」とはまた違う魅力・豊かさを体感する宿なんだと思いました。

いつかまた泊まりたい!(仕事じゃなくて)

*平泉倶楽部さんでは「ディナーと三味線の生演奏を楽しむ日帰りプラン」等も企画予定とのこと。
ぜひホームページをチェックしてみてください〜

https://hiraizumi-club.jp/

編集部:鈴木いづみ