青森の「星野リゾート」で過ごす休日
奥入瀬渓流ホテルから青森屋へ
趣の異なるホテルステイを満喫する

苔の森と清流の響き
奥入瀬でかなえる渓流ステイ

青森県に位置する奥入瀬渓流は、四季折々に表情を変え、訪れる者を魅了してやまない。
特にグリーンシーズンの「苔」は、何度でも見たくなるほど、表情が豊かである。
ルーペで覗けばミクロの世界が広がり、日常を忘れてしまうほど魅入ってしまう。
奥入瀬渓流沿いに建つ唯一のリゾートホテル「奥入瀬渓流ホテル by 星野リゾート」では、
その苔を主役とした奥入瀬渓流の自然を楽しむアクテビティを用意している。

ガイドのエスコートでミクロの世界へ

 十和田湖の子ノ口から「奥入瀬渓流ホテル」のある焼山までの約14キロにわたって続く奥入瀬渓流。渓流の両岸には広葉樹林が広がり、夏は青々した深緑、秋は黄金色に輝く紅葉に彩られる。ここは、日本で約1800種類ある苔のうち、約300種類以上が生息しており、日本蘚苔類学会から「日本の貴重なコケの森」に選定されている。樹々の幹や倒木、岩はもとより、木橋の欄干など人工物の表面も苔で覆われ、まさに苔の世界である。
 奥入瀬渓流ホテルでは、この苔の魅力を体験できる宿泊プランや食事、アクティビティを用意している。そのひとつが、専門知識を持つ渓流コンシェルジュの案内で苔を観察しながら歩く「苔さんぽ」だ。
 同ホテル西館のパブリックスエリア「渓流-BASE」に常駐する渓流コンシェルジュのひとり、小林信輔さんはいう。
 「奥入瀬渓流は川のすぐそばから深い森へと苔の世界が続いているのが特徴です。川沿いをゆっくり歩くからこそ見られる風景や新しい発見があります」
 毎日のように奥入瀬渓流を歩き、ガイドをしている小林さんは、まさに"奥入瀬渓流を知り尽くしている達人"といえる存在。
 「苔は、季節や時間帯、天気によって、それぞれ違った表情や美しさを見せてくれます。おすすめは、奥入瀬渓流は横から日差しが差し込んでくる午前中。一方で、夕方は朝とは異なる幻想的な美しさを見せてくれます」
 小林さんのイチオシは、雲井の滝から白銀の流れのコース。同ホテルの体験プログラム「苔さんぽ」も同じルートを巡る。ルーペ越しにミクロの世界を覗き込み、苔たちが紡ぐ生命のつながりを知る、新感覚の自然散策として人気を集めている(要予約)。

 ルーペで苔を観察していると、その姿をスマートフォンで撮影したくなる。
 「苔を撮影するにはルーペやスマートフォンのレンズにマクロレンズを装着する方法があるのですが、そのコツも教えますよ」と小林さん。奥入瀬渓流の達人ならではの視点で、撮影のアドバイスも惜しまない。

渓流-BASEで「こけ玉つくり体験」

 パブリックスペース「渓流-BASE」で一段と目を引くのが「おいらせ苔アートウォール」である。本物の苔を使用した幅8.5メートル、高さ2メートルの巨大なもので、ホソバオキナゴケやエゾハイゴケなど奥入瀬渓流でも生息している7種類の苔を使ってつくられている。そっと触れてみると、ふんわりと瑞々しい質感。ルーペで観察することもできるという。
 実はこのアートウォールは、奥入瀬渓流での自然体験から得たインスピレーションをもとに生まれた作品。奥入瀬の自然に思いを馳せながら鑑賞するのも、一興だろう。
 さらに、ここでは奥入瀬渓流での思い出を形にして持ち帰れる「こけ玉つくり体験」も実施している。ブナやカツラ、シダの苗木をミズゴケで包み、その表面をさらに苔で包んでつくるというもの。苗木はSサイズからXLまでの4種類あり、大きさによって体験料金が異なる。持ち帰ってからの管理方法も教えてくれるので、初めての人でも安心して参加できる。

渓流の気配に抱かれる至福の2泊3日

 上質な滞在をかなえるなら、「渓流スイートルーム」を選びたい。「渓流と過ごす、ごほうび。」をテーマにしたラグジュアリーな空間には、奥入瀬渓流を望む客室温泉や、コンサバトリーで味わえる宿泊者限定の特別朝食が用意されている。広々としたテーブルや独立したベッドルーム、Wi-Fi環境も完備され、ゆったりとした2泊3日以上の連泊に最適だ。

 奥入瀬渓流の魅力を味わい尽くすには、2泊以上の滞在が望ましい。
 1日目はチェックイン後、岡本太郎作の大暖炉「ロビー 森の神話」があるロビーでウエルカムドリンクを傾け、客室で寛ぐ。
 2日目の午前は、「苔さんぽ」で奥入瀬渓流の自然に触れ、午後は「こけ玉つくり体験」や「渓流-BASE」での読書に浸る。足を伸ばして十和田湖までドライブをするのもいいだろう。昼食には、奥入瀬渓流ホテルの向かいにある「石窯ピザ Ortolana」で、青森県産野菜を使ったランチを味わうのもおすすめだ。
 夕食は、ビュッフェレストラン「青森りんごキッチン」へ。青森が誇るりんごを使った料理の数々を堪能しよう。時期により提供食材や内容が変わる場合もあるが、ぜひとも味わってほしいのは「豚肉とりんごのロースト」とライブキッチンの「あつあつアップルパイ」だ。シェフによると、「あつあつアップルパイは、ソフトクリームと一緒にいただくのがおすすめ」とか。教えられたとおりに食べてみると、アップルパイの熱さとソフトクリームの冷たさが口の中で渾然とし、よりおいしさが感じられる。
 夜は、客室の温泉を温まるのもよし、宿泊者専用の温泉「渓流露天風呂」で星空を見上げるのもよし。心も体もとき解されていくのを感じるはずだ。

 3日目は、朝食前の散歩からスタートしたい。早朝6時から1時間おきに運行しているホテル発のシャトルバスを利用すれば、奥入瀬渓流の中流域へのアクセスもスムーズだ。野鳥のさえずり、朝のやわらかい木漏れ日は、早起きした者だけが得られる最高のごほうびとなる。
 渓流とともに過ごす2泊3日。刻一刻と表情を変える自然の美しさは、大人の心を満たす特別なひとときとなるに違いない。

  • 奥入瀬渓流ホテル by 星野リゾート
  • 青森県十和田市大字奥瀬字栃久保231
  • TEL 050-3134-8094(星野リゾート予約センター)
  • 宿泊料金/1 泊 25,100 円〜(2名1室利用時1名あたり・税込・夕朝食付)
  • https://hoshinoresorts.com/ja/hotels/oirasekeiryu/

季節のアクティビティと食事
青森の文化を享受できる温泉宿

青森屋 by 星野リゾート

館内に一歩入れば、そこは熱気あふれる青森のテーマパーク。
それが「青森屋 by 星野リゾート」のおもしろさであり楽しさでもある。
美肌の湯と称される名湯、滋味豊かな郷土料理が並ぶビュッフェ、
季節ごとに趣向を変える「じゃわめぐ広場」、毎日繰り広げられる「青森四大祭りのショー」。
滞在のすべてが訪れる者を全力でもてなす?青森らしさ?であふれている。

五感で体感する、青森文化のアクティビティ

 先に紹介した「奥入瀬渓流ホテル by 星野リゾート」が奥入瀬の自然そのものを楽しむリゾートホテルであるのに対して、「青森屋 by 星野リゾート」は、青森の文化と人情を全身で体感できる温泉宿である。
 コンセプトは、「のれそれ青森 〜ひとものがたり〜」。「のれそれ」とは地元の方言で「目一杯」という意味で、言葉のどおり、館内での体験や食事のすべてに青森の魅力が凝縮されている。それは、チェックインの瞬間から始まっている。
 エントランスでかわいらしい「ウェルカムポニー」の出迎えを受けて進むと、通常のチェックインカウンターのほかに「よぐきたねカウンター」というものがある。なんとスタッフが青森の方言で対応してくれるのだ。もし何を言っているか分からなくなっても、「わがんね!」札を上げると標準語で説明してくれる(対応時間15:00〜16:00)。
 さらに、青森らしさは続く。ウェルカムドリンクがなんと、じゃわめぐ広場に設置されている「りんごジュースが出る蛇口」なのである。露天風呂「浮湯」の近くにあるので、湯上がり後の水分補給にも最適だ(開催時間8:00〜12:00・15:00〜20:00)。

 青森屋には6タイプの客室があり、それぞれ異なる工芸品が飾られている。
 なかでも、客室「あずまし半露天風呂付」は、南部裂織などの南部地方の工芸品に加え、青森ヒバを使用した半露天風呂を完備。さわやかな香りが漂うその浴槽に満たされているのは、もちろん青森屋自慢の温泉だ。「あずまし」とは青森の言葉で「心地よい」という意味である。客室名が示すとおり、極上のリラックスタイムを約束してくれる。

 青森屋といえば、季節ごとに青森の風物詩をテーマにしたイベントを行っていることで知られている。これを楽しみに季節ごとに宿泊するリピーターも少なくない。
 8月31日までは、「しがっこ金魚まつり」を開催。じゃわめぐ広場には巨大な金魚鉢や金魚ねぷた灯篭回廊が出現し、まるで金魚の世界に迷い込んだかのようになる。期間中は、金魚ねぷたデザインのクッキーでアイスを挟んだ「金魚ねぷたサンドアイス」を販売。りんごのさっぱりとした酸味とシャキッとした食感が楽しめる。そのほか、「金魚ねぷたうちわ」の手づくり体験や「ポイみくじ」も人気である。
 なお、9月1日からは、360度りんごに囲まれる空間で収穫の秋を満喫できるイベント「じゃわめぐりんご祭り」が始まる。「りんごの競り体験」や「りんごクイズラリー」など、企画が目白押しだ。

 夕食は、古民家レストラン「のれそれ食堂」へ。三方を海に囲まれ、山里の幸と海の幸に恵まれた青森県だからこその料理の数々がビュッフェ形式で並ぶ。「帆立の出汁醤油焼き」や「鯖串焼き」、「せんべい汁」「鮪の漬けまんま」など、目移りするほどのラインナップだ。なお、朝食では、青森名物「のっけ丼」をイメージした「うめじゃ丼」を提供され、朝から食欲を刺激する。
 のれそれ食堂では、地元の「奥入瀬ビール」や地酒などが味わえるが、夜が更けてから杯を重ねたいなら、「ヨッテマレ酒場」もおすすめだ。

【青森屋】のれそれ食堂 夕食 1人前イメージ(アルコール)

 滞在のハイライトは、「みちのく祭りや」で上演されるオリジナル・ショー「青森四大祭りのショー」である(要予約)。ショーで表現されるのは、四季の移ろいとともに変わる青森の美しい風景と、冬から溜め込んだ祭りへの熱い想い。青森の人々が厳しい冬を耐え、春の訪れを喜び、夏の祭りに情熱を一気に爆発させる様子を、映像と語りによって進んでいく。クライマックスは、祭り囃子が演奏されるなか、山車が繰り出し、虎舞が縦横無尽に駆け回り、ハネトが威勢よく跳ねるのは圧巻のひと言。予想を超える展開の連続で、あっという間に祭りの世界に引き込まれる(要予約)。

 青森屋は広大な敷地を有していることでも知られている。池を一周するように散策路が整備され、途中に足湯、浮見堂、茅葺き屋根の南部曲屋などが点在している。ここを歩くと30〜40分、公園周遊馬車に乗ると約20分。公園周遊馬車は季節で設えを変え、8月31日までは南部鉄器の涼やかな音色が響く「しがっこ風鈴馬車」として運行される。
 にぎやかな文化に触れ、豊かな食や名湯に癒される。「のれそれのおもてなし」に満ちた青森屋での滞在は、心と体を元気で満たしてくれるはずだ。

  • 青森屋 by 星野リゾート
  • 青森県三沢市字古間木山 56
  • TEL 050-3134-8094(星野リゾート予約センター)
  • 宿泊料金:1 泊 24,800 円〜(2名1室利用時1名あたり・税込・夕朝食付)
  • https://hoshinoresorts.com/ja/hotels/aomoriya/