こんにちは。
薬剤師の目線でいますぐ誰かに話したくなる「薬の豆知識」をお届けしております。

みなさんは旅行に行く際、突然の体調不良に備えて薬を持っていきますか?
私は、旅先でこそ、調子に乗って食べ過ぎてしまったり無理をしすぎてしまったりするので、痛み止め、胃薬、風邪薬、湿布を持っていくようにしています。
特に旅先が海外の場合は、急な体調不良で薬が買える店を探すのも大変ですし、どの薬を買ってよいのか、飲んだ薬が体に合わなかったらどうしよう、など考えればキリがなく安心のためにも薬を持参したくなります。

ところで、海外に持っていけない薬があることをご存知でしょうか?
例えば、おとなり韓国のお話です。
2025年3月に韓国で「麻薬類含有不法医薬品搬入注意報」が発令されました。「麻薬類含有不法医薬品」と指定されたものは韓国に持ち込むことができなくなったのです。

不法医薬品というと麻薬などを想像し私たちには無縁のお話に聞こえますが、旅先に持っていきたい、飲み慣れたお薬の中に入っているような成分も含まれているので注意が必要です。

例えば、頭痛や生理痛で飲むことがある痛み止めです。
痛み止めの薬の中には、痛みを止める働きを助ける「アリルイソプロピルアセチル尿素」という成分が入っていることがあります。
これが韓国に持ち込むことができない成分です。
例えば、イブA錠、イブクイック頭痛薬、ロキソニンSプレミアム、バファリンプレミアム、新セデス錠など、なじみのあるようなお薬にも含有されています。

咳止めとして含まれていることが多く、韓国に持ち込むことができない成分には「デキストロメトルファン」や「ジヒドロコデイン」があります。
デキストロメトルファンはメジコンせき止め錠Proや新コンタックせき止めダブル持続性、パブロンせき止めトリプル錠、コルゲンコーワ総合かぜ薬などに含まれています。
ジヒドロコデインを含む薬にはパブロンSせき止め、カイゲン咳止錠、ベンザブロックL錠などがあります。

お気づきかもしれませんが、ドラッグストアなどで購入できる薬の名前にはアルファベットが付いていたり似たような薬の名前でも微妙に違うものがあったりします。
イブやルル、パブロン、ベンザブロックなどなど、これらには仲間がたくさんいるのです。

しかし厄介なのは仲間とはいえ、含有されている成分が微妙に異なるということ。
なので、同じ仲間でも、韓国に持ち込むことができるものとできないものに分かれます。

せっかくの旅行で体調不良や不安な気持ちにならないよう、ぜひ薬剤師に確認してから購入してみてくださいね。

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韓国に持ち込める薬の一例
【痛み止め】
ロキソニンS、ロキソニンSクイック、ロキソニンSプラス、バファリンA、
バファリンプレミアムDX、バファリンルナ、カロナールA     など
【風邪薬】
ルルアタックFXa、パイロンPL錠、パブロンLX   など
【せき止め】
ルルメディカルドロップ、ストナ去たんカプセル  など
【整腸剤】
正露丸、ビオフェルミン    など
【酔い止め】
トラベルミン  など
【アレルギー薬】
アレグラFX   など

杉山育美
岩手医科大学薬学部 准教授 博士(薬学)
薬剤師
スポーツファーマシスト
アスリートフードマイスター
薬剤師を身近に感じてもらいたいとSNSなどを通して発信中。
アスリートやサポートスタッフ、ご家族に対してアンチ・ドーピング活動をすると共に勝利のためには健康であることの重要性もお伝えしている。
近年はアスリートを含む女性の健康サポートにも力を入れている。