• 1. 盛岡駅を発って早池峰山に向かうバスの中では、ソムリエの松田さんが、地質についてレクチャー。
  • 2. 松田さんの友人で女優の服部真湖さん(右)がツアーに参加。「山と美味しいワインを楽しみに来ました」と真湖さん。登山は本格的でモンブラン登頂を目指しているとか。
  • 3. 早池峰山岳ガイド・浅沼利一郎さん(中央)から岩盤の話を聞く。ここには大理石があった。
 

早池峰山トレッキング 山頂では雲海も

早池峰山頂付近には、4億5000万年以上前の記憶を秘めた石、蛇紋岩がある。その早池峰山に登り、ダイナミックな地形と、蛇紋岩による岩肌に触れた私たちは、地球のエネルギーのうねりを感じることができた。ツアーが行われたのは、ちょうどハヤチネウスユキソウが開花する季節。山頂付近に行けば行くほど、ハヤチネウスユキソウが咲き乱れ、荒々しい蛇紋岩との対比は、この世のものとは思えないほどの美しさだった。
この早池峰山の裾野に広がる大迫町は、オーストリアのベルンドルフと姉妹都市である。遠く離れたオーストリアと大迫町をつなぐ架け橋となったのは、早池峰山に咲く高山植物・ハヤチネウスユキソウだった。この花が、アルプスに咲くエーデルワイスと姉妹花だということから、ベルンドルフとの友好が生まれたのだった。
一般的な山が噴火による溶岩の堆積によって生まれたのに対し、霊峰・早池峰は、大地の隆起によって生まれた山だ。山頂を目指す一行の足元には、ゴツゴツした岩が続き、容赦なく体力を奪う。息も絶え絶え登ると、そこには異界のような美しい景色が広がっていた。
雲海を見下ろす早池峰山頂。雲の切れ間から、大迫町が見えた。風は強かったが、気分爽快。最高のひとときを過ごした。
 
 

大迫のワインで乾杯 さらに味わいは深く

早池峰山の蛇紋岩とハヤチネウスユキソウ。それだけで素晴らしいツアーだが、それだけでは終わらない。下山してからエーデルワインに移動し、売店でワインをテイスティング。土産を買う参加者も。さらに、大迫町のブドウから作ったワイン20種を味わえるパーティーが開催された。
さっきまでの疲れはどこへやら。ワインファンが集まったツアーだけあって、いろんな種類のワインを飲み比べている様子。20 年前のヴィンテージワインには行列が。
ソムリエ松田さんは、バスの中、トレッキングの道中でワインレクチャーをしてくれた。パーティーで行われたクイズ大会は、これまでのおさらいとなる問題が出され、賞品をかけて大いに盛り上がった。早池峰山でトレッキングしたあとのワインは格別。これほどまでにテロワールを感じる一杯はないだろう。細胞に染み込むような至福の味だった。
ツアー参加者は、ワインを介すると皆仲間。最後は一体感が生まれ、次のツアーでの再会を約束した。