定番の和食惣菜をカリッと揚げ物に

「サバ味噌カツ」

 仕事で県内のあちこちに出かけるついでに、岩手食材の質の高さの驚いている県外出身ライター。各地 のご当地食材を活かした「揚げ物」に興味が沸き、各地で味見。気軽すぎて注目されない「ご当地の揚げ 物」をコツコツと記録収集するコラム。
発見場所 岩手県大槌町
サイズ 約5×5×1.5cm(目測)
衣の質感 サクサク系
ボリューム
状態 調理済み
特徴 サバ味噌の新境地?

新巻鮭の町・大槌町

 岩手県大槌町で、毎年冬に開催される「おおつち鮭まつり」。新巻鮭発祥の地でもあり、鮭のつかみ取りや、地元の特産品などが出店されるイベントだが、今年は大槌でも鮭が不漁とのこと。そのかわりに鮭を使った「山賊鍋」や大槌の特産品がたっぷり入った「巨大パエリヤ」、地元で獲れた「ジビエ肉」など、派手なグルメが並ぶなか、地味な渋さが光る揚げ物を発見。
「サバ味噌カツ」・・・お惣菜としてサバ味噌で完成してるはずなのに、揚げるのか?と、少々疑問に思うも迷わず列に並んで購入。

不漁とはいえ、普通に並ぶ新巻鮭。

想像以上に揚げ物とマッチ

 地元の青年部スタッフが揚げたてを、次々に手渡してくれる。わりと小ぶりで、魚のフライなのは一目瞭然。美味しそうな揚げたての香りはあるが、この段階では「味噌感」は特に感じられない。粒の小さなパン粉で包まれて、鯖の切り身らしさもあり、見た目はごく普通に魚のフライ。まずは熱いうちに食べてみる。

5個入り¥400だったが、イベント時の価格とのこと

 軽くサクサクした衣から、厚めだが柔らかい鯖の身に歯が当たる。ひとくち囓ったあとで、熱い湯気と「味噌」の香りが口の中に広がってくる。油の香りと、味噌、鯖の風味が混じって、『こんな仕上がりになるのか!』と想像以上にマッチ。サバ味噌だけで完成した料理だと思ってたのに、さらに進化したお惣菜になっている。少々濃いめの味も、揚げ物用に工夫しているのかな?・・・と、もうひとつ、もうひとつと、あっという間に食べ尽くしてしまった。

やっぱり立派な賞をもらっていた

 最初に買った1パックでは足りず、お土産用にもう数パック購入。持ち帰って家族にも試食させると、案の定大好評。大人も子どもも、手が伸びて買ってきた数パックを完食。家で温め直しても、美味しさには変わりは無かったようだ。
 この「サバ味噌カツ」を製造しているのは、大槌の小豆嶋漁業さんで、地元の魚介を使った商品を様々開発されている会社とのこと。2011年の東日本大震災で大きな被害を受け、地元の企業と連携して大槌町の豊かな水産資源を広めるべく、復興に尽力されている。さらに、この「サバ味噌カツ」は平成30年度岩手県水産加工品コンクールで県知事賞を受賞し、既に実績を認められている逸品だった。
 普段は飲食店などに卸している業務用商品とのことで、このサバ味噌カツを使ったハンバーガーも、地元のキッチンカーで販売されているそう。今回のようにイベントなどで出品されることもあり、たまたま出会えたのはラッキーだったかもしれない。
 夏に大槌町で開催するイベントにも出店される予定との事だが、県内の飲食店でも出会えるかもしれないので、見つけたら迷わず食べてみて欲しい。

製造・販売 小豆嶋漁業
URLhttp://www.domannaka.com/