実が反り返り始めたばかりのバナナ。程よい大きさまで育て、青い状態で収穫し、専用ルームで追熟をかけて「雪国ばなな」となる。
バナナの手入れをする秋田食産の佐藤良一さん
バナナは水を大量に吸う植物。収穫したあと茎を押すと水があふれてくる。

雪国で栽培される無農薬の南国フルーツ

 「雪国の秋田でバナナ?」
 初めて耳にしたときは驚いた。秋田といっても奥羽山脈の麓にあり、冬は豪雪となる美郷町である。しかも、通年で収穫しているという。栽培しているのは「秋田食産」。地元産大根を使い昔ながらの味を大切にした「いぶりがっこ」をつくっていたが、新分野にも挑戦しようと熱帯植物の栽培を始めた。代表の佐藤良一さんが選んだのはバナナ。品種は、いまでは珍しいグロスミッチェル種。皮が薄い、デリケートなバナナである。
 温室には、葉を茂らせたバナナがずらり。実をつけ始めたバナナを前に佐藤さんは、「うちのバナナは葉が大きいんですよ。秋田は日照量が少ないから光合成をしようとして大きくなったのでしょうね。かしこいものです」と笑う。
 大切にしているのは、化学肥料・農薬を一切使わないこと。だから、皮も実も丸ごと食べられる。水の郷といわれる美郷町の湧水もおいしい味をつくるために一役買っているとか。今ではプレミアムなフルーツとして注目を集め、ギフト用としても重宝されている。

秋田食産の「雪国ばなな」

上品な甘さ、薄くてサクッとした食感の皮。
丸ごと味わえる「雪国ばなな」はご贈答にも最適。

国産の無農薬バナナ「雪国ばなな」。シュガースポットが食べごろ。
ヨーグルトやフルーツサラダにも最適。

秋田食産の「青パパイヤ」

 完熟する前に収穫される青パパイヤ。ポリフェノールや
ビタミンCを多く含み、美容・ダイエットに効果が望めるといわれる。

温室では青パパイヤも栽培。
サラダや炒め物など使い方はいろいろ。

秋田食産の「いぶりがっこ」

有機肥料・低農薬で育てた地元産大根を使い、
3昼夜燻したのち米糠などに漬けた
正統派「いぶりがっこ」。
スモーキーで深い味わいが感じられる逸品。

王道の1本漬けのほか、食べやすくスライスしているものも。
  • 米糠や大根のヒゲ根を丁寧に取り除いてから袋詰めをする。
  • 無着色・無添加のため、切り口は自然の色。